川土手の道、両側が草原の間のアスファルトを、小型の束子のような毛虫が、小さな足をセッセと動かして渡って行く。明らかに渡ろうとする意志が見える、、、。(2023年夏詠)
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選ぶほど無き服えらぶ若葉寒
一週間ほど前にあった寒さ、梅雨までは寒い日があると心では思っていたものの、今年の暑さの中であろうとは。暖房でエアコンを使いました、、、。(2023年夏詠)
牡丹のぼたん寺より鐘ひとつ
何度か書いた事のある「牡丹」で観光売り出し中の近くのお寺です。普段は朝夕にも全く鳴らない鐘ですが、このシーズンだけ、一回いくらかのお賽銭をあげて観光客の撞く鐘の音がゴ~ンと、、、。(2023年夏詠)
新しき猫の顔見世聖五月
新顔の野良猫、生まれて半年ぐらいの子猫、それも三匹。いずれも少しずつ似た所があるシャムネコのミックス。代わりばんこに餌をもらいに来る。それも重ならないように少しずつ違う時間に。どれか居つくかなと思っていたが、結局どれも野良の道を選んだようで居つかず、一匹だけが時々顔を見せるだけになった、、、。(2023年夏詠)
ハーレーの爆音似合ふ五月かな
ゴールデンウイークにはハーレーの数が急に増える。グループでも良し一人でも良し。50ccまでのバイクにしか乗れないわが身にとって、あの下腹に響く重低音は羨ましいかぎり、、、。(2023年春詠)
開け放つ局の裏口五月来る
行きつけの郵便局の駐車場のそばに裏口がある。開けっ放し。小さな局なので表の窓口まで丸見え。大丈夫かなあと思うけど、五月の風は気持ち良い、、、。(2023年春詠)
薄闇の宙に浮くごと芥子の花
河原に自生したひなげしの花、夕暮の薄闇の中で見ると軸が見えず、小さなお皿のような花だけが、まるで宙に浮かんでいるように見えるのです、、、。(2023年春詠)
鯉幟泳ぐ高さに高架橋
ちょっと早いですが泳ぎ始めましたのでこの句を。ちょうど真鯉の大きな眼の高さ、睨まれているような感じでした、、、。(2023年春詠)
セルフレジ汗する間無く店員が
もう慣れたからもっぱらセルフレジを選びますが、慣れるまでは大変でした、、、。(2022年秋詠)
ラグビーのポール突つ立つ夏の果
今年はワールドカップの年、期待しています。掲句は一人、通りがかりに母校の夏休みのグランドを見た時の句。丘の上の母校のグラウンドには人っ子一人見当たらない。その中にラグビーのポールが突っ立っている。もう数日もすれば夏合宿に学生が戻って来るのだろうが、今は、静寂、、、。(2022年秋詠)