我家から吉井川沿いに下って行くと嵯峨井堰に出る。ちょっと長めの散歩に良い距離で、休日にはここまで歩き、堰を見て帰途につく。堰は四季を通じてさまざまな顔を見せる。冬は水量も少なく乾いた堰堤が顔を見せているが、春になると中国山地の雪解け水も加わり一気に水量が増える。水は堰堤に沿って滑らかな曲線を描き、一枚の白布のようにも見える。そして大きな音と共に落ち込んでいく。限りなく飛沫が上がり、限りなくマイナスイオンが生れているように感じる。深呼吸をし、水の匂いと共に、マイナスイオンを思いっきり吸い込む。写真は時季的にはもう少し遅く、川向こうの桜がきれいな頃のへたくそな一枚。(2011年春詠)
ごみ出しに眩しき春の日の角度
ごみ出しの仕事は定年後に仰せつかった訳ではない。ずいぶん日の出が早くなったとも思うが、毎日が日曜日の生活で、起きるのが遅くなったのも事実である。ごみ置き場までは車で数分の距離、東にむかう運転席の、ちょうど真正面から受ける朝日は眩しい。(2012年春詠)