高階でも体操教室でもない我家の二階でプールへ行く前のストレッチをする。と言うほどではないが、あちこち身体を動かしておかないと後で微妙な影響が出てくることがある。いつもではないのが厄介で、油断して横着をすると出てくる。昔はこんなことはなかった。何をするにもぶっつけ本番ですんだが、やっぱり年齢には勝てない、、、。(2011年春詠)
投稿者: 牛二
白梅の白より白きうす緑
最近河原に軽トラックで柴犬を連れてくる老人が居る。柴犬はまだ子犬のようだが、老人といい勝負が出来るぐらいの力はあり、吠えはしないがこちらに興味があるようなそぶりを見せる。「こんにちは」「そのいなあ(犬は)オンかメンか?」「メンですよ」「そんなら大丈夫じゃ、こりゃあオンじゃけえメンなら咬みゃあせん」そう言いながらすれ違った。その次に会うと、「こんにちは」「そのいなあオンかメンか?」と、全く同じ内容の話。三回目も同じ、どうやら老人の記憶の中に私と私の犬は全く残っていないらしい。四回目には早めに避けてしまった。車にはシルバーマークが付いていたが、なんだか寂しい、、、。(2013年春詠)
置物の鳥のをりけり庭の春
我家の庭には様ざまなものがやって来るが、その中のひとつ、置物の鴨です。鳥やうさぎは日常茶飯事なので驚かないが、残業から帰って薄暗い庭の隅にこちらを見ている白雪姫の小人を見つけた時には心臓が止まるかと思った、、、。(2011年春詠)
春昼の鳩にまぎれし雀かな
西川緑道公園での句、群れている鳩の中に混じって餌をついばむ雀が一羽、なんとも春らしい感じがした。公園は鳥たちにとっても公園なのですね、、、。(2013年春詠)
地虫出づホルン響きし閑谷に
今日は啓蟄です。そろそろ虫の動きも活発になって来る頃です。掲句は閑谷学校吟行での句、梅がきれいでした。ホルンの音も古い建物や山々にマッチして良かった。閑谷の虫たちはきっとあの音で気持ちよく目覚めるのでしょう、、、。(2011年春詠)
鐘ついて春の寒さを払ひけり
倉敷市の安養寺での句、朝は寒かったなあ、大きな鐘の音に身体の底のほうがぶるぶるっとして、とたんに寒さが逃げていったような気がしました。紅を通り越した黒のような色の椿がきれいでした。それと鶯の正調のホーホケキョの声も見事でした。鶯の鳴き声にも訛りがあることに気づいたのがこの日でした、、、。(2010年春詠)
しつかりと胸に赤んぼ柳の芽
人波をさっそうとすり抜けて行く子守帯(と言うのかな?)で胸に赤ん坊を抱いた若いお母さん、イトーヨーカドー岡山店の外、西川から流れてきた小川にかかる橋の上で見かけた景です。赤ん坊とお母さんの一体感がなんともかっこよかった、早春の一こまでした、、、。(2013年春詠)
金毘羅往来猛犬注意梅の花
早島を歩くと「金毘羅往来」の文字、由来を読むと江戸時代に香川の金毘羅さんへのお参りに使われた道とのことだった。往時を偲びながら歩いていると、昔ながらの立派な門と塀に囲われた古い屋敷に行き当たった。高い塀越しに梅の花が見える。門の木戸は閉じられ、横の通用口の所に「猛犬注意」と書かれた白いプラスチック製の板が貼られていた、、、。(2012年春詠)
くもりなき空に塔あり揚雲雀
国道429号線を倉敷へ走っていると田圃の向うに見える五重塔に、ついつい寄道をしたくなる。時間も無いのでと、南側の駐車場から眺めるだけにしたが、それでも雲ひとつ無い空と五重塔と揚雲雀と、いにしえに想いを馳せるには十分な風景だった、、、。(2013年春詠)
走り出しさうに少年木々芽ぐむ
若いってことはそれだけで価値があることなんだが、気づかなかったなあ少年の頃には。今となってはどうしようもないことだが、せめて心の若さだけは持ち続けたいものだ、、、。掲句、岡山の西川緑道公園での一こま、この後のシーンの展開は読者にまかせよう、、、。(2013年春詠)