鳥が運んだ柿の種が芽を出し大きく育ち、去年ぐらいから実を付けるようになりました。残念ながら渋柿でした。熟柿になれば食べられるかもしれないと待ってみましたが、やっぱり少し渋が残った味でした。鳥たちが来て賑やかに遊んでいますが、さて鳥たちは食べてくれるかどうか、、、。(2015年冬詠)
月: 2016年12月
水仙の莟待ちゐる日差かな
昨年の12月早島公園での句、やっぱり県南は違うなあと感心したときの句です。県北ではこうは行かない。水仙の莟がふくらむのは年が明けてからです、、、。(2015年冬詠)
掃除機のコード手を打つ年の暮
だいたい嫌々やっているからこんなことになるのだろうが、掃除機をかけ終わってコードを巻き取ろうとスイッチを押したときの句、、、。(2015年冬詠)
煤はらひ坊主覆面姿にて
吟行に行くといつもと違い山門が大きく開いていた。入るといきなり頭上から声が降ってきた。見上げると若い住職が煤払いの最中だった。作務衣に覆面の完全防備の姿で、、、。(2015年冬詠)
真つ直ぐな道の続きに冬の山
とうとう雪の季節がやってきました。ヘッダーの写真も雪山に変えましたが今年の写真ではありません。掲句は昨年、その山を目指して北に走った時の句です。ヘッダーの写真のちょうど中央ぐらいの山でしょうか、その山裾あたりです。田舎です。有名になってしまった某ハチミツの会社があります、、、。(2015年冬詠)
銀山の坑夫人形冬ざるる
石見銀山、世界遺産になる前の句です。どこの鉱山でも同じだったのでしょう、坑夫の生活は推して知るべし、、、。(2001年冬詠)
駄菓子屋の窓に瞬く聖樹の灯
古い句です。徒歩通勤の途中に小さなお店がありました。子供用の駄菓子から日用品まである、昔の田舎にあったようなお店です。入口の引戸はサッシになっていましたが、入ったらチャイムが鳴って、しばらくして奥のほうから腰の曲がったおばあさんが出てきます。夜は厚手の白いカーテンが引かれ、お店の灯は消されます。残業した帰りに通ると、そのカーテンの向こうにいかにもささやかな聖樹と分かる明かりが瞬いていました、、、。その後おばあさんは亡くなり、お店も無くなってしまいました、、、。(2000年冬詠)
暖房の風にゆらゆら茶房の灯
いつも長居をする早島のいかしの舎の茶房、暖房に灯りがゆらゆら、広いガラス戸越しに庭が見える。先日はちょうど満天星の紅葉に日が当たり、極上の色を見せていた、、、。(2015年冬詠)
鳩遅々と歩む冬日の美観地区
ちょっと観光客の少ない日の美観地区、鳩も日差を楽しんでいるようでした、、、。(2015年冬詠)
寒椿二つ三つが良かりけり
昨日と同じく昨年の早島での句。H女史にこの詠み方の句が多い。その詠み方を真似てみたら案の定採っていただけた。去年は椿が咲くのがずいぶん早かった。我が家の椿は十一月から咲き始め、年末にはもう満開になっていた。今年は、まだ蕾が硬い、、、。(2015年冬詠)