ゆらゆらと日のある空を鳥帰る

古い句を整理していたら出て来た句です。仕事が面白かった頃です。たぶん仕事で疲れた眼を癒そうと会社の外に出てコーヒーでも飲んでいたのでしょう。ふと見上げた空に小さくなってゆく鳥の群が、、、。(1999年春詠)

野に生きるものの短命春北風

野に生きる動物は総じて短命と言えます。先日も散歩の途中でふと目をやると土手の途中に真新しい鼬の死骸がありました。土手の上で車にでもはねられたのでしょう。せっかく寒い冬を耐えて生きて来たのに、春になって死ぬなんて、、、。(2020年春詠)

トラックを除け春泥を一跨ぎ

散歩の途中にわずかに残る未舗装の道路。よりによってこんな所で近づいて来る大きなトラック。道路脇へ一歩避けようと上げた足の下に深い轍、慌てて降ろそうとした足をさらに向うへ運ぶ。アブナイアブナイ、あのまま降ろせば泥の中だった、、、。(2020年春詠)

遠く鳴る始業のチャイム揚雲雀

仕事を辞めて十年目、揚雲雀の声を聞きながら朝の散歩をしていると、風に乗って遠くの会社の始業のチャイムが聞こえてきます。曲は聞きなれたウエストミンスターの鐘、どこの会社ともわかりませんが微妙に懐かしい響きです、、、。(2020年春詠)

古硝子の外に風あり柳の芽

倉敷美観地区の観光案内所、古硝子の窓の向うに川沿いの柳の木が見える。風があるのだろう、微妙にゆがみの見える古硝子に合わせるように向うの柳の芽が、これも微妙にゆがみながらゆれる、、、。(2020年春詠)