誰が流すのか、夏になると必ず流れて来る瓜の皮、、、。(2020年夏詠)
月: 2021年7月
ありがたし雲の影来る大夏野
太陽の下を歩いていると遠くから大きな雲の黒い影、ありがたい、出来る事なら逃げないで欲しい、と、、、。(2020年夏詠)
草むしり土の中よりラムネ玉
おやこんな所に、、、。(2020年夏詠)
朝涼の水使ふ音流す音
散歩途中で聞えて来る夏の朝の生活の音、、、。(2020年夏詠)
走る走る刃逃れた羽抜鶏
昔、田舎では家々に鶏小屋があって鶏が飼われていました。雛から育てて卵をとり、最終的には衰えた鶏から肉になります。選ばれやすいのが羽抜鶏でしょう。実際に見たことはありませんが、首を切られた鶏が走って逃げる話はよく聞かされたものです。掲句はそんな話を思い出して「走」の題詠で詠んだ句、可哀そうなので切られる前に逃がしてやりました、、、。(2020年夏詠)
川音も月の光も網戸越し
川が近いせいでしょうか、夏の夜もたいていは網戸だけで過ごせます。明かりを消して、月明りの中で川音を聴きながら眠りにつきます。贅沢、、、。(2020年夏詠)
見えぬもの見せて一陣青田風
早いものです。土手の上から見ると田圃はすっかり青田です。その青田を風が吹き抜けて行きます。見えない風が見える瞬間です、、、。(2020年夏詠)
覚める度あの世の近くなる昼寝
良いのだか悪いのだか、ついうとうと、、、。(2020年夏詠)
鳥葬の亀のぬけがら晩夏光
産卵の為に亀が川土手を上り道路に出て来る。運が良ければ道路を渡り切れるが元々動きが遅い亀、車の犠牲になるものも多い。食物連鎖でその轢死の亀を烏がつつく。最終的に残るのは亀の抜け殻、すなわち割れた甲羅だけ、、、。(2020年夏詠)
梅雨の灯の照らして小さき砂糖壺
梅雨明け間近のようですが、梅雨の句をもう少し、、、。(2020年夏詠)