走る走る刃逃れた羽抜鶏

昔、田舎では家々に鶏小屋があって鶏が飼われていました。雛から育てて卵をとり、最終的には衰えた鶏から肉になります。選ばれやすいのが羽抜鶏でしょう。実際に見たことはありませんが、首を切られた鶏が走って逃げる話はよく聞かされたものです。掲句はそんな話を思い出して「走」の題詠で詠んだ句、可哀そうなので切られる前に逃がしてやりました、、、。(2020年夏詠)

鳥葬の亀のぬけがら晩夏光

産卵の為に亀が川土手を上り道路に出て来る。運が良ければ道路を渡り切れるが元々動きが遅い亀、車の犠牲になるものも多い。食物連鎖でその轢死の亀を烏がつつく。最終的に残るのは亀の抜け殻、すなわち割れた甲羅だけ、、、。(2020年夏詠)