句会への途中、国道を逸れて足守の古い街並を抜けます。その途中にある和菓子屋さん、いつも暖簾の色をチラッと見て通り過ぎます。さすが和菓子屋さん、暖簾の四季おりおりの色がきれいです、、、。(2019年冬詠)
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コトコトと寒夜を急ぐ終電車
同じように走るのに始発の音は元気よく、終電の音は控えめに聞こえる。時々外に出て見るが、単線の一両だけの終電車、明るい車内にほとんど乗客の姿は無い、、、。(2019年冬詠)
待春の川の煌き見て飽きず
ここ数日は暖かくて待春を通り越してすでに春になったような天気です。ところがどっこい、自然はそう甘くはないですね。掲句は昨年の今頃、、、。(2019年冬詠)
添物のやうに猫ゐる冬日向
だいぶ日差が戻って来ました。日の当る枯草の中にちょこんと猫が、、、。(2019年冬詠)
鯛焼の餡のはみ出すしつぽかな
どっちから食べようと勝手なのですが、この時は、、、。(2019年冬詠)
魚焼く匂寒九の雨となり
雨の日に散歩するとなぜか料理の匂がしてくる事がある。この句の場合は鰯を焼く匂、、、。(2019年冬詠)
涸川のひとすぢ残る水の音
だんだんと水が少なくなって、とうとう川底の一筋だけになってしまった。まるで川底に出来た新しい川のように見える。細いながらに瀬や淵があり、一人前に小さな音を立てている、、、。(2019年冬詠)
蒲団重しサンドイッチの具の気分
寒いですね。電気毛布と言う選択肢もありますが、どちらかと言えば蒲団を重ねて暖房なして寝るほうが好きです、、、。(2019年冬詠)
蝋梅の一枝柩を閉づる前
義母の葬儀は小さな部屋での家族葬だった。部屋に入ると線香とは違う香りが漂っていた。見ると祭壇に蝋梅が一枝挿してあった。「あ、これか、もう蝋梅が咲いているんだ」と思いながら手を合せた。その蝋梅を最後にそっと胸元に添えたのは義姉だった。もう一年、義母の葬儀での句、、、。(2019年冬詠)
ひげ剃るも無精となりし寒さかな
どこに行くでもなし、誰に会うでもなし、まあいいか、と、、、。(2019年冬詠)