春雨や菓子舗花屋と続く街

冷たい雨の中を吟行に出る。早島いかしの舎から早島公園へ向かって少し歩いたところ、落ち着いた街並の中に古い小さな店が続く。ほとんど人通りはなく、店を覗いても明りで開いていると分かるものの人影はない。もっともそのほうが吟行には都合が良いのだが、、、。(2018年春詠)

春眠や次々続く日々の音

そろそろ起きようかなと思いつつ聴く日々の音、新聞の届く音、始発列車の通る音、目覚め始めた雀の声、午前六時に鳴る「ミカンの花咲く丘」のメロディー、だいたいこの辺で起きだします。三月です。朝も起きやすくなりました、、、。(2018年春詠)

門までの飛石伝ひ沈丁花

ずいぶん昔に聴いた歌に「沈丁花の匂いが部屋の中まで入り込んできて怒った君の顔までも眠たそう」という歌詞があり、それで知った沈丁花の名前ですが実物を知ったのはずいぶん後のことです。その沈丁花が今では我が家の庭にも一本、毎年暖かくなると匂って来ます。そしてなぜかこの歌詞を思い出すのです、、、。(2018年春詠)