夏草や列車軋みて駅に入る

駅から直線距離で1.5kmぐらいだろうか、上り列車はちょうど我が家の辺りからブレーキをかけ始める。徐々に速度を落として、最後にギギッという感じで無人駅に止まる。単線の一両車。夏草の中、、、。(2023年夏詠)

夏草や選挙事務所の在りし跡

古い句を探したらこんな句がありました。何の選挙だったか記憶にないのですが、国道沿いの空地に建てられたプレハブの選挙事務所。選挙が終り、数ヵ月後に通ると跡形もなく、そこには夏草が茂っていました。どなたの事務所だったのか、結果がどうだったかも記憶にないということは、あまり関心がなかったからでしょうか、、、。今日は投票に行きます。結果は見えているような気がしますが、、、。(2000年夏詠)

夏草を広げ大きな猫寝まる

ほど良い木陰の夏草を押し広げたようにした真中で、大きな猫が眠っていた。私や犬が通ろうが我関せずの眠りっぷりはボス猫と見た。ボス猫の命は短い。日々縄張りの見回りをし、さらに縄張りを広げるべく遠出をする。遠出をすれば国道も渡らなければならない。必然的に危険が増すのである。まあ、そればかりではあるまいが、早ければ数ヶ月で交代となる。掲句の猫、いつまでボスでいたかの記憶は無い、、、。(2003年夏詠)