オリオンを過ぎ音となる飛機灯り

夜空がきれいです。徒歩通勤をしていた頃はオリオンを見ながら帰るのが常でした。今は時々外へ出て夜空を眺めます。オリオンとそれに近づいて行く赤と緑の点滅灯、遅れて加わる飛行音、昔と同じです。感傷に浸りたいところですが寒いのですぐ家に入ります、、、。(2019年冬詠)

代官所井戸の真四角実千両

似たような赤い実が生る木で、上向きに実が付くのが千両、下向きに付くのが万両。千より万のほうが重いから下を向いて実が付く木が万両、なんて覚え方をして完璧と思っていたら似たような実が生る木に藪柑子(ヤブコウジ)があった。掲句の木は倉敷アイビースクエアにある代官所井戸の奥に見つけた赤い実の生った小さな木、藪柑子だったかも知れない、、、。(2019年冬詠)

宮の柚子一つ頂き冬至の湯

掲句は昨年、「ご自由に・・・」の札付きの箱の中の一個。今年は準備万端、先日所用で田舎に帰ったついでに実家の柚子を採って来ました。自分で柚子を採るなんて何年ぶりの事でしょう。時々触れる刺の痛さも久しぶりでした、、、。(2019年冬詠)

雨戸繰るそこに冬芽の育つ幸

二階の窓の外にある辛夷の木、つい先日落葉したばかりなのにもう新しい冬芽が育っています。この中に花芽がいくつあるのでしょう。それは冬芽が育つにしたがって分かってきます。毎朝雨戸を開ける度にどうか沢山咲きますようにとお願いします、、、。(2019年冬詠)

極月の橋を転がるレジ袋

確かに有料化によって捨てられているレジ袋は少なくなりました。掲句のような景も今年はまだ見ていません。とは言え、捨てられるゴミが無くなった訳でもありません。こんな景を見る事が無くなる日が早く来ることを願っています、、、。(2019年冬詠)

路地裏の鉢に育てし根深ねぎ

観光地も一歩路地裏に入ると観光とは無縁の暮らしが見えてくる。二階には洗濯物が並び、軒下にいくつも置かれた鉢には草花と一緒に冬野菜が元気に育っている。大きく育った葱の鉢には数本を残して収穫の跡がぽっかりと、、、。(2019年冬詠)