裏木戸が主たる入口石蕗の花

冬になりました。石蕗の花がきれいに咲いています。掲句は一人暮らしのお宅の玄関脇の石蕗の花。何度行っても玄関が閉まっていて応答がない。困って隣で聞くと、「玄関はいつも閉まっとる。横の木戸から入って奥のほうで呼んだら出て来るから」と教えられた。なるほど、石蕗の花のもう一つ横が細い道になり、古びた木戸へと続いている。こちらはすっと開く。家の横を通って裏へ行くと二階へ続く階段がある。そこで大きな声をするとガタガタと二階で音がして、ようやく返事が返ってきた、、、。(2016年冬詠)

句碑あらば裏を見る癖石蕗の花

一月も今日で終わり、早いですね、、、。これも退職前の四国での句です。石蕗は初冬に咲く花で、実際この辺りではすでに枯れきっていますが、四国赴任中は一月でもずいぶん目にしました。それも自生しているのでしょう、なんでもない山道で見かけることがよくありました。掲句は昨日の句と同じ日、ついでに巡った別の札所寺での句です。やはり句碑の足元には石蕗の花が、、、。(2011年冬詠)

石蕗の花そこに日差のあるやうに

石蕗の花は俳句では冬に分類されていますが、実際は9月の終わり頃には咲き始めるようです。今年は国勢調査の用紙を配布に行ったお宅の庭先で見たのが最初です。ですから9月26日と言う事になります、、、。掲句は散歩で通る土手の桜並木の、木の根元に咲く石蕗の花です。どなたが植えられたのか、枯草の中で、そこだけ輝いているように見えます、、、。(2014年秋詠)

石蕗の花四国はどこを歩けども

「室戸」その3 こと室戸に限ったことではありませんが、四国に居る間はどこへ行ってもこう思っていました。ホテル近くの公園、山道、何箇所か周った札所寺、どこへ行っても、ちょっとした道端には必ず石蕗の花が咲いている。自生しているのかも知れませんね、、、。(2011年冬詠)

名園に続く裏木戸石蕗の花

昔はもっと広かったそうだからその名残なのだろう、名園とその古い旅館は高い板塀で仕切られていた。地元の旅館に行くことなど滅多にないが、前日から宿泊していた知り合いを迎えに行った朝、少し周囲を歩いてみた。名園側からは何度も見たその板塀を、裏から見るのは初めてだった。名園との近さに、なるほどと感心しながら歩いていくと木戸があった。もしやと思い、開けようとしたが、残念ながら釘で打ち付けられているらしく、開かなかった。それではと、少しだけ開いた隙間から覗くと、やはりそうだった。見慣れたところを裏から見るのは新鮮で、もう少し見たかったが怪しまれそうで身を引いた。木戸の傍らに石蕗の花が咲いていた、、、。(2010年冬詠)

風一夜さわぎて朝の石蕗の花

雨風の激しい一晩がありました。朝には雨は上がっていましたが、木々は濡れ、動きの早い雲の間から時折太陽が覗くような初冬の天候でした。散歩に出ると、昨夜の風の狼藉ぶりがそこここに見えます。桜並木はすっかり葉を落とし、濡れた落葉が舗装路に貼り付くように残っています。根元の草むらは風に押し倒されるように乱れ、その間から石蕗の黄色の花が健気に覗いていました。気をつけて見ると、どなたが植えられたのか、それぞれの桜の木の根本に黄色の花が、、、。それから一年、今年からその石蕗の花を見つける楽しみが出来ました、、、。(2012年冬詠)