上手に飛びますね、綿虫は、、、。(2018年冬詠)
カテゴリー: 2018
今日咲くと思ひし石蕗の花あらず
土手の桜並木の木の根元に二か所だけ、どなたが植えられたのかこの季節になると石蕗が花をつけます。毎年楽しみで、咲き出すと毎日見て通ります。その花が先日の朝、通りがかりに見つからないのです。おかしいなと思い引き返して確かめると荒らされた跡が、、、。みんなで楽しめばよいものを、どうして独り占めしようとするのでしょうね。去年にもこんな句を書いていますのでたぶん常習犯なのでしょう、、、。(2018年冬詠)
口髭に犬の風格日向ぼこ
お互いに白いものが増えて、一緒に並んで日向ぼっこをした去年の句。早いもので亡くなってもう三か月が過ぎてしまいました、、、。(2018年冬詠)
茶の花や空家となれば人訪はず
久し振りに道を変えて歩いてみた。途中にある古いお家、かつては小柄な上品そうなお婆さんが一人で住まわれていた。生垣の間に何本か茶の木が植えてあり、冬になると隠れるようにして白い花が咲くのだった。亡くなられたと聞いたのはもう一年以上前になる。それから空家となっているのだろう、門の内の小さな庭には草が伸びている。生垣も、何だか知らない蔓性の植物が絡まっている。確か茶の花が、と思って見ると、あった!生垣の奔放に育つ他の木の間で、身を細めるようにしている茶の木に、以前と同じように隠れるように白い花が、数個、、、。(2018年冬詠)
庭掃いて落葉に混じる鳥の羽根
立冬です。数日前から凩らしき風もあり、我が家の庭は落葉だらけです。しばらくは落葉掃きが日課となります。そんな落葉の中に時々鳥の羽根が混じっています。自然に抜けたものなら良いのですが、、、。(2018年冬詠)
行く秋の空に数多のジェット雲
晩秋の晴れた空に何本もの飛行機雲が交差している。温度湿度の関係だろうか、とりわけ秋には多いような気がする、、、。(2018年秋詠)
日を浴びてあくびしてをり穴惑
今にして思えば、あれは欠伸ではなく威嚇だったのだろうか、、、。(2018年秋詠)
稲滓火の四方より攻め出会ひけり
都会では絶対に苦情が出るだろうと思う晩秋の風景。見ていて楽しいが煙が自分のほうに来ると煙い。四方の畔沿いに点けられた火が、ちょうど田圃の中央辺りで出会って、炎が急に大きくなる、、、。(2018年秋詠)
カーディガン後姿のでんと行く
会社の用事でちょっとそこまで、の女性だろう。追い越して行った後姿が立派だった、、、。(2018年秋詠)
孤独なる野に寝る猫や文化の日
河原の草の中で日を浴びながら気持ちよさそうに眠っている猫、時に羨ましいと思う事が、、、。(2018年秋詠)