枯葦のしなふが楽し群雀

年末だから軽く流しています。と言うか、なんだかんだ言っても忙しいからでしょうか、年末の句は少ないのです、、、。雀っていいなあ、いつも楽しそうで、と、競うように枯葦にゆれている雀を見た時の句です、、、。(2009年冬詠)

五日目となる箱住い冬の雨

四国で二ヶ月間を過ごしたのは三年前、掲句は五日目だから十二月五日、ビジネスホテルの狭い部屋へ帰ったときの句です。早いものですね、職場の解散パーティーからもう三年が経ってしまいました。先日「久しぶりに元のメンバーで・・・」と声をかけていただいて、忘年会に行ってきました。何はともあれ、皆さん元気で逞しく、久しぶりに全員の顔が揃って、こんなうれしい事はありませんでした。一年後、二年後、また同じ元気な顔が見たいものです、、、。(2011年冬詠)

極月の禰宜の拍手遠くまで

たぶんあの音が出るまでには何万回もの練習があったのだろうと思わせる拍手の音が遠くまで響いて来た。ことさら強く聞こえたのは、たぶん数日後に控えた新年への決意と言うか、初詣の人出に対する覚悟と言うか、そういうものが入り混じっているからだろう。どうやったらああいう音が出るのだろう?普段拍手を打つなんて事のない私なんか、たまたま賽銭をあげて拍手を打とうものなら、いつもスカスカの音ばかりです。投資が足りないのかなあ、、、。(2011年冬詠)

煌としてLEDの冬灯

メリークリスマス!今年の話題は何と言ってもLEDでしたね。クリスマスのイルミネーションは別としてLED電球はもうお使いですか?掲句は、やっと値段も下がってきたので試しに買って、我家で使い始めた昨年の句です。灯る時の立ち上がり、消える時の残光、それと慣れるまでは何となく光の煌き感が気になりました。同じ電球色でもちょっと硬い感じといえばよいでしょうか。まあ慣れてしまってどうって事はありません。もう慣れました、、、。(2013年冬詠)

日脚伸ぶロダンの像の脚長く

ははは、昨日が冬至で今日いきなり日脚が伸びる訳がないですね。でもグラフで言えば昨日がどん底で、今日からは右肩上がり。伸びていくのですよ、少しずつ、少しずつ、、、。掲句は倉敷大原美術館の分館前のロダンの像、、、。(2013年冬詠)

ラグビーのホーン高らかかつ無情

ラグビーも最近はタイムキーパー制で行われる試合が多くなりました。賛否はありますが、その昔ラガーメンであった私としては、試合をする場合はノーサイドとなるまで必死だから、どちらでも関係ないだろうと思います。中立の立場で見ていると、高らかに鳴るホーンが勝敗を際立たせて、ある意味面白いですね。ある意味無情、、、。懐かしい、、、。(2013年冬詠)

修行僧夢見し跡の枯野かな

美咲町の本山寺での句です。本山寺は平安末期に天台密教の山岳道場として創建され、当時は120を超える僧坊があったそうです。多くの修行僧がいたのでしょう、本堂に座って三重塔を眺めながら、当時に思いを馳せていると突然修行僧が現れて来そうな、そうな気さえして来るのです、、、。(2013年冬詠)