裏庭に狭き空あり十三夜

しまった!9月6日に書こうと思っていたのに、トラブルでバタバタして抜けてしまいました、、、。家の裏は屋根をくっつけてストックヤードにしているので、ほとんど隙間が無いのですが、あったのですよ三角形の小さな隙間が、ちょうどお月様がスッポリと見える、、、。(2013年秋詠)

ゆつたりと雀日をあぶ豊の秋

今年は天候不順のせいでしょうか、素人目には稲の実りが遅いように感じられます。例年だとこの時期の休日にはコンバインの音が賑やかなのですが、今年はちらほらです。晩生かも知れませんがまだ青い田も、、、。(2013年秋詠)

階を上りて秋の蝶に会ふ

階段を上って行くと、上のほうできれいな蝶が、とまるでもなく離れるでもなく羽ばたきをしている。もう少し観察しようとさらに上ると、蝶も合わせたように上って行く。やっと私が頂まで上ると、蝶は迷わず空中に飛び出して行った、、、。(2013年秋詠)

秋の川見てをるところ覗く人

吟行地を探して津山線のとある駅の近くを歩いていると橋があった。橋の上から覗くと水の澄んだきれいな川がある。魚影も濃い。少し先には公園らしきところも見える。欄干にもたれて考え込んでいると、通りがかった背広姿の老人、川に何か居るのだろうかと覗き込む。確かに居る。居るのだが、どこの川でも見かける鮠や鮒、珍しいものではない。やがて他に珍しいものを見つけられずに老人は去っていった。これを見ながら考え込んでいるのは俳人ぐらいのものですよ。結局ここは候補地から外したが、いつかのために、どこの駅かは伏せておこう、、、。(2013年秋詠)

露草や腹を濡らして犬戻る

朝の散歩で見る露草がきれいです。すっかり秋になりましたね。半ズボンTシャツでは朝は寒いぐらいです。掲句は我家に来た初代プードルの句、時は流れ、その孫のプードルがもう老犬です。あの頃は我家に黒ラブが来るなんて思いもしなかった、、、。(2002年秋詠)

月天心太郎次郎を眠らせて

早いようですが今夜は十五夜です。さあ寝ようという頃、二階の窓には煌々と月明かり、見るとちょうど前の家の屋根の上に月があります。なんだか月に覗かれているような気分です。さて、今年は月が見られるでしょうか、、、?(2013年秋詠)