藪蘭は秋に花を咲かせて濃い黒色の実をつけます。その葉の色が目立ちだすのが初冬です。周囲の植物が衰えて行くのとは対照的です、、、。(2019年冬詠)
カテゴリー: 2019
冬晴の機影なき音仰ぎ見る
ここ数日良い天気が続いています。初冬らしい青空です。掲句は昨年、飛行音がして空を見ても機影が見つからない。反対の時もありますね、機影はあるけど音が聞こえない。きっと冬の空は晴れていても上空の気流が早いのでしょう、、、。(2019年冬詠)
干上がつてダム湖空つぽ冬紅葉
月に一度、句会への道中で通るダム湖の畔、四季折々の景を見せてくれる。時として見える干上がったダム湖もまた新鮮な景、周囲の紅葉に呼応するように現れた湖底の色もまた濃い、、、。(2019年冬詠)
向うにも一人時雨を急ぐ足
空を気にしながら出た散歩、案の定パラパラと。ふと見た田圃を隔てた向うの道にも同じような人が、、、。(2019年冬詠)
神の留守訪へば退屈さうな巫女
旧暦十月です。上司のいない間の息抜き、、、。(2019年冬詠)
「ゆうびん」の一声若し冬夕焼
最近来る我が家の地域担当の若い郵便屋さん、必ず「ゆうびん」と一声かけて配達してくれる。ただそれだけの事だがうれしくて、こちらも「ありがとう」と言って受け取る、、、。(2019年冬詠)
粛々と続く鼎談白障子
喧々諤々と続く議論に何の事やら分からず「どうやら厄介な所に足を踏み込んだようだ」と一人上の空で座敷の向うの明るい障子を眺めていた。そんな時に思いついた実際とはまるで反対の句、、、。(2019年冬詠)
冬霧に遠ざかる人影となる
県北の霧は深い。足早に遠ざかる人がすぐに霧の中に紛れてしまう。この霧が春まで続く、、、。(2019年冬詠)
祝賀御列銀杏黄葉の真下かな
祝賀御列の儀があったのは昨年の11月9日、早いものですもう一年。二日前に書けば良かったのですがすっかり忘れていました。失礼しました、、、。(2019年冬詠)
小春日や庭師繕ふ庭の苔
とあるお屋敷の開け放った門の向うに見えた景。法被姿の庭師が二人、しゃがんで何やら作業中、興味津々覗いてみるとどうやら庭の苔の傷んだ所を剥がして新しい苔を張り付けているらしい。珍しい。それにしても立派なお庭、、、。(2019年冬詠)