まるでスポットライトのように、遠くの山の一部分だけに日が当たっている。雑木紅葉は今が盛り、紅も黄も、そこだけが輝いている、、、。(2019年冬詠)
月: 2020年11月
藪蘭の緑濃くなる冬初め
藪蘭は秋に花を咲かせて濃い黒色の実をつけます。その葉の色が目立ちだすのが初冬です。周囲の植物が衰えて行くのとは対照的です、、、。(2019年冬詠)
冬晴の機影なき音仰ぎ見る
ここ数日良い天気が続いています。初冬らしい青空です。掲句は昨年、飛行音がして空を見ても機影が見つからない。反対の時もありますね、機影はあるけど音が聞こえない。きっと冬の空は晴れていても上空の気流が早いのでしょう、、、。(2019年冬詠)
干上がつてダム湖空つぽ冬紅葉
月に一度、句会への道中で通るダム湖の畔、四季折々の景を見せてくれる。時として見える干上がったダム湖もまた新鮮な景、周囲の紅葉に呼応するように現れた湖底の色もまた濃い、、、。(2019年冬詠)
向うにも一人時雨を急ぐ足
空を気にしながら出た散歩、案の定パラパラと。ふと見た田圃を隔てた向うの道にも同じような人が、、、。(2019年冬詠)
神の留守訪へば退屈さうな巫女
旧暦十月です。上司のいない間の息抜き、、、。(2019年冬詠)
「ゆうびん」の一声若し冬夕焼
最近来る我が家の地域担当の若い郵便屋さん、必ず「ゆうびん」と一声かけて配達してくれる。ただそれだけの事だがうれしくて、こちらも「ありがとう」と言って受け取る、、、。(2019年冬詠)
粛々と続く鼎談白障子
喧々諤々と続く議論に何の事やら分からず「どうやら厄介な所に足を踏み込んだようだ」と一人上の空で座敷の向うの明るい障子を眺めていた。そんな時に思いついた実際とはまるで反対の句、、、。(2019年冬詠)
冬霧に遠ざかる人影となる
県北の霧は深い。足早に遠ざかる人がすぐに霧の中に紛れてしまう。この霧が春まで続く、、、。(2019年冬詠)
祝賀御列銀杏黄葉の真下かな
祝賀御列の儀があったのは昨年の11月9日、早いものですもう一年。二日前に書けば良かったのですがすっかり忘れていました。失礼しました、、、。(2019年冬詠)