なかなか進まない今年の春、それでも少し膨らんできた気がする辛夷の芽です。雨後の芽の先で粒になった水滴が光っています。きれいです、、、。(2024年春詠)
月: 2025年2月
甕にある空へ一つの落椿
庭にある雨水受けの甕、いつだったかひどい寒波の年に凍り罅が入ってしまった。ボンドで接着して太い針金でしばり、多少の水漏れはあるが雨水受けに用をなしている。水漏れ部分に苔が生えたりして、かえって趣のある瓶になったとも言える。その甕の中の空へ落椿、、、。(2024年春詠)
出発の合図のどけし無人駅
出発するのも次の駅も、そのまた次も無人駅。近くを走っている姫新線。出発の合図もなんとなくのんびりと聞こえてきます、、、。(2024年春詠)
男衆の諸手頭上に裸押し
備前平野に春を呼ぶと言われる西大寺の会陽、実際の会陽はテレビで見たことがあるだけですが、あと祭りの観音院には行った事があります。意外や意外、あの勇壮な争いの舞台がこんなに狭い所だったのかと、、、。(2024年春詠)
薄氷を鴉のつつくにはたづみ
寒さが緩んだようで緩んでなかった。朝の河原の水たまりの氷をつつく鴉。ん?、すぐ傍を川が流れているのに、なんでわざわざ?と思った昨年の句、、、。(2024年春詠)
段々の堰の魚道や春の水
ちょっと遠くまで歩いて、久しぶりに堰の所まで行ってみた。大きな堰で結構複雑な構造をしている。その中の一つが魚道、段々に緩やかに水が流れるように、長い堰の途中の数か所に作ってある。まだ水量が少ないがそこを滑るように水が流れている。水量が増えて魚が上る所を見てみたいが、そんな偶然はめったに無いだろう、、、。(2024年春詠)
春雪や重機の眠るごと河原
先日今シーズン初の積雪が。今までもうっすらと白くなった事は何度かあるが、積雪は初めて。掲句は昨年、今年もまだ続いている河川改良工事の現場の重機、雪で休日、まるで眠っているように見える重機、、、。(2024年春詠)
浅春の暖かさうでなささうで
こんなものでしょうね。そう簡単に春は来ないと分かってはいるのですが、日差があるとつい期待してしまいます、、、。(2024年春詠)
春の星千年先は誰も知らず
夕空の星を見ていてふとこんな事を考えました。後は寒いからさっさと家に入りました、、、。(2024年春詠)
白壁の高き酒蔵風光る
立派な酒蔵。ほんのりと酒の匂いがしてくる、、、。(2024年春詠)