甕にある空へ一つの落椿

庭にある雨水受けの甕、いつだったかひどい寒波の年に凍り罅が入ってしまった。ボンドで接着して太い針金でしばり、多少の水漏れはあるが雨水受けに用をなしている。水漏れ部分に苔が生えたりして、かえって趣のある瓶になったとも言える。その甕の中の空へ落椿、、、。(2024年春詠)

男衆の諸手頭上に裸押し

備前平野に春を呼ぶと言われる西大寺の会陽、実際の会陽はテレビで見たことがあるだけですが、あと祭りの観音院には行った事があります。意外や意外、あの勇壮な争いの舞台がこんなに狭い所だったのかと、、、。(2024年春詠)

段々の堰の魚道や春の水

ちょっと遠くまで歩いて、久しぶりに堰の所まで行ってみた。大きな堰で結構複雑な構造をしている。その中の一つが魚道、段々に緩やかに水が流れるように、長い堰の途中の数か所に作ってある。まだ水量が少ないがそこを滑るように水が流れている。水量が増えて魚が上る所を見てみたいが、そんな偶然はめったに無いだろう、、、。(2024年春詠)

春雪や重機の眠るごと河原

先日今シーズン初の積雪が。今までもうっすらと白くなった事は何度かあるが、積雪は初めて。掲句は昨年、今年もまだ続いている河川改良工事の現場の重機、雪で休日、まるで眠っているように見える重機、、、。(2024年春詠)